2012年4月18日水曜日

Yellow Yesterday日記 その4

つづき。。

1月

さて年末までにとりあえずのレコーディングが終ったので僕はホッとしている。
この頃上田さんが猛烈に細かい作業をしている頃。
ミキシングの時期に突入したのである。
その昔、パラブレスの頃はどんなことやるのだろうと思って見たこともあったが、作業が細かいので見ているだけで眠くなる。
というか大体寝ていた記憶があるので、もうおまかせする。

待っていると日が経つにつれ、いくつか仮MIXが送られてくるようになるので、それを聞きつつこうしたいですとお伝えする日々に。
何がどうなってるのか僕にもよくわからないが、そうして送られてくる音源がだんだんと良くなって形づいていくので面白い。
本当に細かい作業で、且つ求めているものに近づいていくのだからお見事である。
1月はそういったMIX作業を上田さんが猛烈な勢いでやっている時期。

僕はといえば東京に弾き語りで行ったり、バンドで姫路に行ったりUSTライブなどをしている。
ホッとしているのだけど、心残りが1つある。
それはまだ”Animal's Olives”のギターソロを弾いていないのである。
あんな長い曲どうしろと!とぼんやり考えていたが、フレーズを考えたりなどは一切していないので恐ろしい。

そんなことで大丈夫ですか井上さん。



2月

2/1

”のんちゃんさようなら、卒業ライブ”が京都メトロである。
たくさんの人が来てくれて涙涙で終わりかと思いきや、なんのことなくいつもどおりに終る。
もちろん多少エモーショナルなところもあるのだが、思いの外さらっとしている。
これはおそらくみんな家が近いからなんじゃないかと僕は思っていたのだがどうなのだろう。
まぁ泣きまくるライブとかあんまり見たくないけど。

昔、何かの本でPHISHの解散ライブはメンバーの誰かが号泣してたみたいなのが載ってた気がする。
しかし、今もしれっと復活してやったりしているのだから、まぁそんなもんなのだろう。
ともかくこの日は自主盤に入ってる曲などもやった。
おそらく2年振りに演奏した曲もあったのだが、全く覚えていなくて1からコピーしたのでなかなか大変であった。しかし、この日で封印となる曲もいくつかあるので、やれて良かった。

2/4

そのライブを経て、とうとう後回しにし続けていた”Animal's Olives”のソロを録音する日がやってきた。いろいろ考えた結果、もう全部アドリブでやるのが一番良いような気がしたので、何も考えずにこの日を迎えることになる。
内心ヒヤヒヤしているが、まぁもうなるようにしかならないと思い、挑戦することにする。
結局20テイクくらいとって、その中から一番エキサイティングな演奏しているものを選ぶ。
エキサイティングな演奏とは、どうやったのかあんまり自分でもよくわからない演奏の事なのだが、これが予想していたよりもうまくいっていたので良かった。
そんなレコーディングに付き合ってくれた上田さんには感謝するしかないが、まぁしっかりと構築されたギターソロを2分近くも聞くなんてよくよく考えたら嫌なのでこの方法で正しかった気がする。

この日のレコーディングを最後にミキシングはさらに進み続け、サミングアンプの日までに完成する。かなりの細かい作業がやっとここで一旦終わりを迎えるのだけども、ミキシングも納得いくまで時間をかけて大切に作ってもらった。

ほんとに職人技のお見事な仕事である。

上田さんありがとう。

2/18

この日は上田さんとミキシングされた音をサミングアンプしに行く日。

奈良のスタジオ法隆寺という、なんとも喉から手が出るほど欲しい機材がたくさんあるむちゃくちゃ素敵なスタジオがあるのだが、幸運なことにそこの機材を使わせてもらうことになった。
僕はサミングアンプという言葉をこの日まで知らなかったので、上田さん何言ってるんだろうと思っていたが、実際やり始めるとなるほどこういう事かと納得させられた。
むちゃくちゃ簡単に言うと音が暖かくなるのだけど、これは今回のアルバムにぴったりすぎてお見事であった。
しかし、スタジオ法隆寺にはmoogからプロフェットまで、もうテンションが上がらないわけない素敵な機材が山ほどあり、休憩がてら少しスタジオで遊ばせてもらったのだが、もうほんとにむちゃくちゃ楽しかった。
ということでサミングアンプ時にはスタジオ法隆寺の松永さんと上田さんと、ほとんど機材話をして終った。
もう完成した音にも、その羨ましい環境にも影響され、ホクホクの気持ちで2人京都に帰った。

この日を迎えてあとは、マスタリングのみになる。


3月

2月頃から連絡を取り始めたカナダのマスタリングスタジオに遂に音源を送る。
今回マスタリングをしてもらったHarris Newman。
この人は、僕がカナダにいた時に買ってた好きなアルバムの多くをマスタリングをしている人なのである。
といっても前から知っていたわけではなく、今回のアルバムのマスタリングを誰にしてもらうか考えていて好きなアルバムのクレジットを見ていたらやたらと出てくる名前だったという経緯で頼んだのだが、この人会ったことなどもちろん1度もないが、本当に見事な職人。

日本とカナダなのでメールでどういう風にして欲しいかを説明してやり取りするのだが、もちろん結構な量のメールのやりとりをするのでなかなかに疲れるのだけれど、最終的に完成したのを聞いたときは、もう本当に言葉にならないほど感動した。
足りなかった最後のピースがバチコーン!とはめられた感じがした。
会えるものなら出来る限りのハグをしたいくらいである。
それほどまでにアルバムが完成した!という気持ちになれた。
僕にとって、もうこれ以上はないという完璧な仕事だったのだ。
この人にお願いした自分を褒めたい、というかよく見つけたと思う。
ほんとにありがたい偶然である。


ということで、そんなこんなの流れでとうとうアルバムの音が完成したのだ。


そしてアルバムジャケットの話。

今回ジャケットも実は1年ほどかけてのんびり出来たのである。
有本さんと話し合いながらゆっくりとイメージを膨らませていって、結局全部で10個ほどデザインを作ってもらって、ボツにしては作ってもらってというのを繰り返していった。
今のジャケットになる前に、表ジャケは違うものに決まっていて、あとはその中の絵のデザインを決めるだけという感じになっていたのだけど、その中の絵にしようというデザイン見せてもらった原案が今回のジャケットだった。
ただ当時は、もう少しデジタルっぽさがあったので、それにアナログ感が欲しいとボンヤリしたことを伝えてやってみたら、これ!という100%ぴったりくるモノになったのである。

なので当初予定していた、アルバムジャケットはボツにして今回のジャケットに変更になった。
ワガママにも程があると思うが、古い付き合いの友人なのでなんの気兼ねもなくよろしく!と言ったのだが、きっと大変だっただろう。
しかし、有本さんもこだわりの人なので、急激に変更になった表ジャケットや中の絵も、歌詞カードのデザインまでこだわって作りあげてしまった。
さすがである。

さらに今回、日本語訳のお手伝いとして田中亮太さんに助けてもらい、あーだこーだと言いながら素敵な日本語訳になるよう考えてもらったりもした。
当初、ふわっとやるくらいだろうと思っていたら、”音を聞きながら読み進めてハッとなるものにしたい”という田中さんの言葉があり、それに感動した。
なのでこちらもワガママを言いながら気にいるところまでしっかりと一緒にやってもらった。

なので、アルバムを買ってくれてブックレットを手にした人たちにはそういったところも楽しんでもらえたらすごく嬉しい。

ちなみにこれらも全て3月に終った。
ということは偽りなく、本当に制作期間に1年ほどかかったという渾身の作品ということなのである。


 さて、全4回に渡って書いた”Yellow Yesterday日記”もこれにて終了です。

今回かなりがんばって書いたので、次にいつブログを書く気持ちになるか全く見当もつきませんが、モチベーションが上がって且つ機会があればまたやろうと思います。

さて、ということでですね。


Turntable Filmsの新作”Yellow Yesterday”が本日に発売となりました。
この作品を楽しんで聴いていただけたら幸いです。

読んでくれてありがとう。

イノウエヨウスケ


01.Misleading Interpretations
02.Portrait
03.Animal's Olives
04.Toy Camera
05.Uncle Tree
06.Named For
07.Ghost Dance
08.Collection Of You
09.Evil Tongue
10.10 Days Plus One
11.Summer Drug
12.Little Giant

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